いよいよ始まりましたドラマ「モンスター」。NHK朝ドラ主演女優趣里さん、SixTONESジェシーさんらの演技が楽しみですね。趣里さん演じる弁護士は感情やしがらみを排してゲーム感覚で法廷闘争を繰り広げていきます。第二話以降も目が離せません!
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この記事では本ドラマから着想を得た心理術や対人交渉術などについて、実際にみなさんの生活に役立つ視点から御紹介していきます。その第一回は「ゲーム理論」です。
①ゲーム理論の世界:現実に役立つ駆け引きの科学
私たちの生活は、多くの「選択」と「駆け引き」で満ち溢れています。それが職場での競争であれ、ビジネスの戦略であれ、あるいは友人との意思決定であれ、その背後には「ゲーム理論」という考え方が潜んでいることをご存知でしょうか?
ゲーム理論は、合理的な選択を研究する応用数学の一分野であり、経済学や政治学、社会学など多岐にわたる分野で応用されています。今回は、ゲーム理論の基本概念と実践例、そして現実世界でのエピソードを紹介します。
ゲーム理論とは?
ゲーム理論は、複数のプレイヤー(個人、企業、国家など)が関与する状況において、それぞれが最適な選択を行うための理論です。この理論の基盤となるのは、各プレイヤーが他のプレイヤーの選択を考慮しながら、自分にとって最も有利な行動を取るという考え方です。
最も有名な例の一つに「囚人のジレンマ」があります。これは、2人の囚人が協力するか裏切るかを選択する状況をモデル化したものです。どちらも協力すれば短い刑期で済みますが、一方が裏切ればその裏切った方が無罪放免となり、協力した方が長い刑期を課されます。
両者が裏切れば、双方が中程度の刑期を受けます。このジレンマは、自己利益を追求することが必ずしも最良の結果を生むわけではないことを示しています。
実践例:ビジネス戦略場面
ゲーム理論は、ビジネスの世界でも重要な役割を果たします。例えば、価格競争において企業は、自社の価格設定が競合他社にどのように影響するかを考えなければなりません。これを理解するために、ゲーム理論の一つの概念である「ナッシュ均衡」を用います。
ナッシュ均衡とは、各プレイヤーが自分の最善の行動を選択し、他のプレイヤーの行動も最善であると仮定した状態です。この状態では、誰も他のプレイヤーの行動を変更することなく、自分の行動を変えることは利益を生みません。
例えば、ビジネスの世界では、各社が価格を下げると利益が減少するため、価格を一定に保つことが多いです。しかし、一社が突然価格を下げると、他社も対抗して価格を下げることになり、全体の利益が下がります。このような場合、価格の引き下げを行わないというのがナッシュ均衡の一例です。
エピソード:冷戦時代の米ソの戦略
ゲーム理論は、歴史的な出来事にも影響を与えています。よく例として挙げられるのが冷戦時代におけるキューバ危機。この危機においてアメリカとソ連は核戦争のリスクを避けるためにゲーム理論を活用しました。両国は、相手が攻撃を開始すれば自国も報復するという「相互確証破壊(MAD: Mutually Assured Destruction)」の戦略を取りました。
この戦略は、いわば囚人のジレンマの実例とも言えます。相手を攻撃すれば自国も壊滅的な被害を受けるため、結果的に両国が核攻撃を避けるという均衡状態が保たれました。ゲーム理論の視点から見ると、両国の選択は合理的であり、最悪の事態を回避することに成功したと言えます。
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学術的根拠
ゲーム理論の学術的な基盤は、1944年にジョン・フォン・ノイマンとオスカー・モルゲンシュテルンが発表した『ゲームの理論と経済行動』に遡ります。
この著作は、ゲーム理論の基礎を築き、後にジョン・ナッシュがナッシュ均衡の概念を提唱することで、さらなる発展を遂げました。ナッシュの研究は、1994年にノーベル経済学賞を受賞し、ゲーム理論が広く認知されるきっかけとなりました。
ちなみに「ナッシュ均衡」の概念は、「なぜ、同じような競合店が近接した場所に出店するのか?」についての説明も見事に証明しています。面白いですよ。
現実への応用
ゲーム理論の概念は、日常生活にも応用可能です。例えば、以下はその一例です
- 交渉:価格交渉や契約交渉などで、相手の行動や反応を予測し、最適な戦略を立てるのに役立ちます。
- オークション: オンラインオークションや競売で、他の参加者の入札行動を予測し、最適な入札額を決定するために使われます。
- 交通: 渋滞を避けるためのルート選択や、信号のタイミングを最適化するためにゲーム理論が利用されます。
- ビジネス戦略: 競合他社の動きを予測し、自社の戦略を立てる際に役立ちます。例えば、価格設定や新商品の投入時期など。
- 家庭内の意思決定: 家族間の役割分担や、共同での意思決定(例えば、どの映画を見るか、どこに旅行に行くか)においても、ゲーム理論が応用されることがあります。
また、交渉やコンフリクト解決の場面でも、相手の立場や利害を考慮し、最善の行動を選択することが求められます。ゲーム理論を理解することで、より効果的なコミュニケーションと意思決定が可能となりそうですね。
まとめ
ゲーム理論は、複雑な駆け引きや意思決定を理解するための強力なツールです。ビジネス戦略や歴史的な出来事、さらには日常生活に至るまで、その応用範囲は広がっています。
合理的な選択を追求することで、「最善の結果」を導くためのヒントを提供してくれるゲーム理論。この理論を活用し、あなたも日々の意思決定にシャープさを加えて役立ててみてはいかがでしょうか?
ここまでお読みいただいてありがとうございました。
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