子どもの巣立ちが辛い親へ｜心理士と考える「からの巣症候群」にならない心の整え方と親の新しい生き方

お子さんの巣立ちを控え、胸にポッカリと穴が空いたような寂しさを感じていませんか？

「子どもが自立するのは喜ばしいこと。でも、心のどこかで『もう親としての役目は終わったのか』と虚しさを感じる……。」

そう思うのは、決してあなただけではありません。

✅ こんな悩みはありませんか？

子どもが巣立つのが寂しくてたまらない
何もやる気が起きず、毎日が空虚に感じる
つい子どもに頻繁に連絡してしまう
これからの人生に楽しみを見出せない

子どもを育てることに全力を注いできた親ほど、この時期に大きな喪失感を抱えがちです。

本記事は、公認心理師による監修・執筆。実際のカウンセリング現場で寄せられたリアルな声と心理学的アプローチをもとに、 「からの巣症候群」にならないための心の整え方と、親自身が新しい人生を楽しむための実践的ヒントをまとめました。

「親としての役割」は変わっても、「あなた自身の人生」はこれからも続いていきます。ぜひ、本記事を参考に、心の持ち方を見つめ直し、新たな一歩を踏み出してみましょう。

1. 巣立ちの寂しさは「喪失」なのか？

「子どもがいなくなった生活なんて想像もつかない……」そんなふうに感じるのは、ごく自然なことです。

からの巣症候群とは？

子どもが自立した後、親が虚無感や孤独感に襲われる心理状態のこと。主な症状には、次のようなものがあります。

✅ 何もやる気が起きない

✅ 食欲がなくなる、または過食する

✅ 夜眠れない、または朝起きられない

✅ 人と会うのが億劫になる

✅ 子どもに頻繁に連絡してしまう

特に母親に多いと言われますが、最近では父親からの相談も増えています。

学術的には、からの巣症候群（Empty Nest Syndrome）は、心理学者Erik Eriksonが提唱したライフサイクル理論の「世代性 vs. 停滞」の段階に関連するとされています（Erikson, 1950）。この段階では、親は次世代に貢献することで充実感を得る一方で、子どもの自立によって役割を見失いがちになることが示されています。

2. まずは「親である自分」を労わることから

子どものために頑張ってきた年月は、かけがえのないもの。でも、親であるあなた自身にも「労わり」が必要です。

心のセルフケア3ステップ

寂しい気持ちを否定せず、言葉にする
- 感情の言語化は、ストレス軽減に有効であるとする研究があります（Pennebaker, 1997）。
子どもとの思い出を「宝箱」として整理する
- ポジティブな回想は、抑うつの軽減に寄与することが示されています（Bryant et al., 2005）。
これからの「自分のための時間」に目を向ける
- 自己成長への投資は、幸福感を高める要因の一つとされています（Seligman, 2011）。